第31回環境応用化学セミナー

2025年4月22日

下記のとおり、第31回環境応用化学セミナーを開催いたします。今回は、第10回グリーン・サスティナビリティセミナーとの併催とします。みなさまのご参加をお待ちしています。

  • ⽇時:2025年5⽉21⽇(水) 15:10〜16:50
  • 対面とオンラインのハイブリッド開催
  • 会場:西館3階 W307教室

講演1(15:10-16:00)

福島県土壌中の放射性セシウムの回収と安定化技術

  • 講師:渡邊 雄二郎 先生(法政大学 生命科学部 環境応用化学科・教授/法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター・兼担研究員)
  • 要旨:2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故から14年以上が経過した。福島県内の除染作業で発生した除去土壌のほとんどは中間貯蔵施設区域内に輸送され、今後はこの土壌の減容・再生利用技術が必要となる。除去土壌の処分問題は、最終的な保管技術、浄化物の再生利用技術までを一気通貫で実証することが重要で、法政大学を中心とする研究チームでは①溶融塩・酸処理による土壌からの放射性セシウムの脱離、②天然ゼオライトを用いた回収、③水熱処理を用いたポルサイト転換による安定化、④浄化物・酸廃液の再利用からなる減容・再生利用技術を提案している。本講演では、昨年度まで3年間実施した除去土壌等の減容等技術実証事業における本技術の概要を紹介する。

講演2(16:00-16:50)

CO2ガスから合成する炭酸塩結晶とプラスチック強化材に向けた形態制御

  • 佐久間 博 先生(物質・材料研究機構 電子・光機能材料研究センター 機能材料分野 資源循環材料グループ・主幹研究員)
  • 要旨:最近の環境問題に関連してCO2ガスを有効活用した材料開発が求められている。そこでCO2ガスを利用した炭酸塩結晶の合成法についてレビューする。このような炭酸塩結晶は様々な材料の力学強度に対する強化材としての活用が期待されている。例えば、石油起源のプラスチックからバイオベースのプラスチックへの転換が必要とされている。しかしながら、バイオベースのプラスチックは力学強度が弱く、そのままで現状のプラスチックを代替することが難しい。このような応用を見据えて、CO2ガスからつくる炭酸塩結晶の形態制御についての研究を紹介する。

主催:法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター
共催・後援:法政大学生命科学部 環境応用化学科
世話人:法政大学 生命科学部 緒方 啓典

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