2020年10月14日
下記のとおり,第15回環境応用化学セミナーを開催いたします。第8回グリーンソサエティーセミナー,2020年度第2回生命機能セミナーとの併催とします。今回は,現在の巨大な半導体産業とは異なるコンパクトな装置で半導体製品を製造する「ミニマルファブ」に関してハード面,ソフトウェア面からご講演をいただきます。LSIの開発経費および期間を大幅に短縮することが可能で,少量多品種にも対応可能な技術であり,これまで独自のLSIの導入は困難であった分野での利用拡大の可能性を秘めています。みなさまのご参加をお待ちしています。
- 日時:2020年10月14日(水) 15:10-17:00
- Zoomによるオンラインセミナー
講演(1)
- 題目:ミニマルファブの概要と横河ミニマルアプリケーションラボの果たす役割
- 講師:横河ソリューションサービス(株) 半導体サービスセンター ミニマル部 柴 育成 氏
- 要旨:ミニマルファブは産総研を中心に開発を進めている0.5インチウェハを使用した多品種少量生産に適した生産システムで,クリーンルームのない環境でも半導体デバイスが製作できる画期的な装置群である。横河では武蔵野市の本社内にアプリケーションラボを2016年に開設,現在26台の装置による各種デバイスの試作・評価環境を整え、年間約80団体の見学受入れや、MEMS・ディスクリートデバイスを中心とした試作をメーカーや大学等に提供している。社内設計のMEMS圧力センサではミニマル初の実用動作を実現,新たなデバイスの開発にも着手している。また,大学の学生実験向けにp-MOS集積回路やフォトダイオードを製作し良好な結果が得られている.今後,設計環境を整備し,幅広く試作を受け入れていく。
講演(2)
- 題目:ミニマルファブによる半導体事業の民主化
- 講師:(株)ロジックリサーチ 土屋 忠明 氏
- 要旨:半導体事業は、ショックレ―による点接触トランジスタの発明からスタートし大型コンピュータ用メモリ採用により基礎を築きあげ、島さんのマイコンの発明によりさらに拡大している。近年では、すべての電気・電子機器には、半導体製品が使われている。半導体設計・開発においては、高額なEDAツールや高額な試作費用が必要で、新規参入が難しく一部の企業に寡占化されている。ミニマルファブは、この新規参入の閾値を圧倒的に下げて半導体産業の民主化を狙っている。