2022年11月16日
下記のとおり、第25回環境応用化学セミナーを開催いたします。今回は、第3回グリーン・サスティナビリティセミナーとの併催とします。みなさまのご参加をお待ちしています。
- 日時:2022年12月15日(木) 15:10-16:50
- 形式:オンライン(Zoom)
- セミナー聴講希望者は、下記までご連絡ください。Meeting IDおよびPWをお知らせします。
- マイクロ・ナノテクノロジー研究センター(E-mail: nanotech@hosei.ac.jp)
- メールタイトル「第3回グリーンサスティナビリティセミナー参加申込み」
- 本学の方はメール本文に氏名、所属学部・学科、学生証番号を記載してください。学外の方は、氏名および所属(企業・官公庁、一般、学生等、学生・生徒の方は学校名)の記載をお願いします。
講演1(15:15-16:00)
有胞子細菌に感染するバクテリオファージの生存戦略
- 講師:佐藤 勉 先生(法政大学 生命科学部 生命機能学科・教授/法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター・兼担研究員)
- 要旨:微生物とウイルスは、それぞれ生態系における有機化合物の分解と生物個体数の調節に大きな役割を担っている。土壌細菌の一種である枯草菌は栄養状態が良好な環境では細胞分裂を繰り返すが、栄養源が枯渇すると細胞内に耐久性の胞子を形成する。我々は枯草菌の胞子形成プロセスにバクテリオファージ(細菌に感染するウイルス)が関与することを見出した。宿主ゲノムに組み込まれたファージDNAは遺伝子再編成による宿主遺伝子の転写調節を行う。本研究室において枯草菌ゲノムに自らのDNAを組み込むタイプのファージを環境中よりスクリーニングし、現在までに50種以上のファージが得られている。本講演では、胞子形成プロセスに関与する個々のファージの生存戦略について紹介する。
講演2(16:00-16:50)
微生物もコミュニティーを形成し、コミュニケーションする社会的な生き物である
- 講師:野村 暢彦 先生(筑波大学 生命環境系・教授/微生物サステイナビリティ研究センター・センター長)
- 要旨:新型コロナ感染症が、人々の日々の生活そして経済まで多大な影響を与えたことにより、微生物への関心が高まっている。微生物は、その様な感染症のみならず、健康・食・環境全てに広くかかわり、SDGsの多くの項目の達成にも関与している。よって、21世紀は健康・食・環境にかかわる微生物制御が人類の重要な課題の一つと言っても過言ではない。単細胞生物である細菌は、地球上ではいつも一匹でふらふらと自由生活をおくっているように考えられていたが、群れて集団(バイオフィルム(BF))になり微生物社会を形成していることが明らかになってきた。興味深いことに、彼らは言葉(微生物シグナル:微生物が産生する化学化合物)を使ってBF内でコミュニケーションしており、さらに興味深いのは、それは同種のみならず異種・異属の広範囲の微生物とコミュニケーションすることで微生物社会を形成しているのである。また、彼らは細胞が密な状態のみならず離れた細胞ともコミュニケーションが出来ることが明らかになってきた。本講演では、そのような細菌の情報伝達システムとそれを解析するための最新イメージング解析技術もあわせて紹介させていただく。
主催:法政大学マイクロ・ナノテクノロジー研究センター
共催:法政大学生命科学部 環境応用化学科
世話人:法政大学 生命科学部 山本 兼由